ガンマン、カムバッーク!!!
ガンマンは
ある日突然
銃を撃つことに飽きてしまった
絵・文_TOMOt
今夜もハクビシンが小鳥を食べちゃってる。まったくもって5日連続だぜ!
うなされちまうよ。こっちの身にもなってほしいよね。あんなに小鳥がわめき
散らしているのに、ぼくはどうしてやることもできないんだもの。おそろしい。
耳をふさぎたくなる。おっかない。
ギャーギャー、ビッビビーッ、キッキ、キッキ、キキキーッ。(・・・・・・。)
食べられちゃった。悪夢だ。もう夢なんて見られない。
むかしはこんなじゃなかったのに。でも、きっとそれはハクビシンのせいじゃ
ないんだとおもうよ。ハクビシンは夢を食べてしまわないもの。
みんなぼくらの夢の用心棒のことを忘れてしまっているんだろう?
ガンマンは悪いやつ、無法者だなんていったのはだれだい?
てんでわかっちゃいないんだから。パパもママも嘘つきさ。
先生もそうだ。ぼくらの知りたいことはちっとも教えてくれないんだもの。
それだから、みんなガンマンのことを忘れちまったのさ。
ガンマンの悩みをしってる? もう仲間もだいぶ少なくなったみたい。
仕事にあふれて廃業しちゃったか、さもなきゃ敵にやられてしまったか、
なんてきみはおもっているんだろう?
それはちがう。ぼくらの夢の用心棒は腕がいい! 問題なのはガンマン
たちが住処をなくしちゃってるってことなんだ。どこに住んでるのかって?
やれやれ、ぼくらのなかの、ほらこのあたりにさ。
(これではガンマンもすねてしまうよね・・・・・・)
なかにはグデングデンに酔いつぶれて、愚痴ってる用心棒もいるらしい。
「骨のあるやつはどこへいった? 近ごろの人間どもときたら、まったく!
腑抜けたやつらばっかりじゃないか!」てね。
そのガンマンは腕が鈍っちゃってるらしい。そうさせたのはほら、パパや
ママに先生だけのせいじゃない。ぼくらがじぶんで夢見ることをしなくなっ
てしまったからなんだ。
みんなはどうだい? 思い出してごらんよ、じぶんの夢を。
夢をみるときまってそれをぶち壊しにやってくる来る邪魔者がいるだろ?
しんどいよね。いやなやつらだ。ぼくもしってるもの。
だけど、そんなときはぼくらの夢の用心棒に助けを借りたらいい。
きみがほんきで夢をかなえたいんなら、ガンマンはいつだって
ぼくらの味方になってくれるはず。
ぼくはもういちど、しっかりじぶんの夢を描きなおしてみることにしたよ。
今夜あたり、45口径の拳銃を両手ににぎりしめたガンマンが、
ぼくの夢を邪魔者から守ってくれるはずだもの。
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(文=石垣ゆうじ)
by momiage_tea
| 2007-08-18 01:18
| ゆうじ × TOMOt