吉田拓郎さんの『制服』を聴きながら・・・。(6月21日)


『自画像(ポール・ゴーガンに捧ぐ)』――1888年9月(アルル時代)

数あるゴッホの自画像のなかでも、もっとも神経に病んだ癇癪持ち丸出しの表情を
たたえた絵がある。淡水の湖のような乳白色がかった緑色を背景に、うたがい深げ
な顔をした男が――ほとんど坊主頭でオレンジ色の口髭を蓄えて――英和中辞典
の表皮みたいなアズキ色のジャケットに身を包んでいる。

その右目は実直ながらも、己の真摯な行ないの日々にも疑問を抱くしかない哀しげ
な目を、左目は指でまぶたを突っ張らせてるわけでもないのに鋭く尖っていて、自分
を画家として認めようとしない世間への軽蔑と、冷めた眼差しとが同居する、極めて
乱暴な眼差しがあるのだった。

ゴッホはよくも自分を憐れむこともせず、最後までこの絵を描き上げたものだ。そこ
までして自分の仕事に正直であろうとした彼の心情を思うとき、ボクは心にこみ上げ
てくるものを感じて目頭が熱くなる。

さらに涙が零れんばかりの切ない、いや、憂うつな気分に襲われるのは、そのゴッホの
狂気をはらんだ表情とボク自身の顔ツキが――ズバリ一致をみせるときがあることで
ある。「オレもついにここまできたか――」と深い落胆にくれるよりも、自分を平静に保つ
ためにも、「オレもゴッホの域にまでようやく近づいてきたかぁ!」と何だかわからない
明るさで納得してみた方が得策であろうと思う。

しかし、そうやって自分をゴッホ並みに持ち上げてみたまではよかったが、友人から
カル~い口調で、「耳を切らないように気をつけなさいよ!」などと励ましを受けると
胸のうちで「そういうことか」とつぶやくだけで、返す言葉も見つからないのであった。



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■□


          
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by momiage_tea | 2005-06-22 00:28 | ゆうじ × TOMOt


モノ書き石垣ゆうじとモノ描きTOMOt「もみあげ亭」二人による気まぐれ日記


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