よもやま話


映画『重力ピエロ』の鈴木京香を観たら、そして『おくりびと』の広末涼子を観たら、
ひとり身の男たちは相手もいないのに結婚したくてたまらなくなってしまうだろう。

鈴木京香が演じたのは、結婚にも子供にも縁がないと思い込んでいたモデル役。
ところが結婚して子供が生まれたら、もう子育てが天職のようになっている。彼女
が乳母車をおしながら赤ちゃんに歌を聞かせてやっている場面は母性愛全開だ。

広末涼子が演じたのは、ふがいない旦那をそれでも献身的に支えようとする新妻。
東京でのチェロ奏者暮らしから、山形の地方の納棺士へと身を持ち崩してゆく(?)
夫に愛想をつかした彼女が、旦那の仕事っぷりを見て惚れ直すあたりにグッとくる。

こうした男から見て理想的な女性像を、世の女性陣はどのように捉えるのか。その
辺りの感情を知りたいし、話し合ってみたいと思うのだが、そうした相手がまわりに
はいないのだ。不幸というのはつまりそういうことをいうのだろう。

ひとつの物事を体験するのは各々別であってもいい。しかし、その事をある相手に
話してひとつの出来事なり、思考なりを追体験することで、ふたりの関係に共犯性
を持たせることが重要なのだ。そのためにはレベルの高い相手でないと勤まらない。

(いま世間を賑わせている酒井法子容疑者の場合は、そうしたコミニュケーションが
あまりにも低いレベルで交わされてしまったところに破綻の要因があるのだと思う)

では、レベルの高い低いの価値判断はどこにあるのか。それは、「人をちがえるのは、
ただ一つ、何をうつくしいと感じるかだ。」と、長田弘は『言葉』という詩に記している。
であるなら、意見が食い違ってもそれが不快だということにはならないだろう。

結婚はひとりでは絶対にできない。鈴木京香と広末涼子の演技を観て、結婚という
二文字を思い描いたのは価値観の共有者の不在と、あるいはわたしの陳腐な価値
観を覆してしまうだけの圧倒的なうつくしさへの憧憬なのだった。


d0059157_19324359.jpg


(文=いしがきゆうじ)
(絵=TOMOt
[PR]
by momiage_tea | 2009-08-10 23:12 | ゆうじ × TOMOt


モノ書き石垣ゆうじとモノ描きTOMOt「もみあげ亭」二人による気まぐれ日記


by momiage_tea

プロフィールを見る
画像一覧

リンク


■もみあげ亭アーカイブ
もみあげ亭ブログより抜粋した、選りすぐりのストーリをお届けします



■絵日記「TOMOt日和」
絵かきTOMOtの、旅とARTを感じる日々のおこぼれ日記



■木小屋日記(けごや日記)

山形県小国町在住のかご作家・炭焼き職人のブログ




ブログパーツ

カテゴリ

全体
ゆうじ × TOMOt
石垣ゆうじ
TOMOt
写真
TOMOt DesignWork

以前の記事

2012年 08月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 07月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月

タグ

(8)
(6)
(6)
(5)
(3)
(2)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)

その他のジャンル

ブログジャンル

画像一覧

S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30