続・パリを愛した画家たち


果たしてキスリングという画家と、そこに描かれた女性との間にはなにが
あったのだろうか? キスリング作、『婦人像』はサテン地のカーテンを思
わせる質感のグリーンをバックに、美しい婦人がそこにいるというだけの
単なる肖像画だ。けれども、白い襟元もまばゆい女性のまなざしは伏目
がちで、なにか空恐ろしい凶器をもはらんだ冷酷さが漂っているのだった。

気に入った絵であればあるほど、遠くから、そして近くから眺めてみて、
質感だの、サインの書き方だの、いわゆる文学でいう行間というやつを
読みとろうと隈なく何度も読み返してみるのだが、ついぞこの『婦人像』
には、ある一定の距離にまでしか近づけなかった。猟奇を感じたからだ。

『婦人像』というからには、キスリングは誰かの依頼を受けてその女性を
描いたのだろう。いや、それは彼が恋をした人妻だったのではないのか?
そうした史実があったのか知る術もないが、このマドモアゼルはキスリン
グとの情事の後でなにがしかひと悶着あって、ナイフのひとつも振りかざ
したことがあるのに違いない。キスリングも罪な男だし、美人なのもとき
には重罪だと言わざるを得ない。

(文=いしがきゆうじ)
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by momiage_tea | 2009-08-08 21:28 | ゆうじ × TOMOt


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